松江の秋を彩る光のイベント「松江水燈路(読み方:まつえすいとうろ)」。秋の一定期間、松江城周辺がライトアップされ、美しい光景が広がります。
「水燈路の美しい光景を写真に撮って、SNSで友達や家族に見せたい」
「いつも持ち歩いてるスマートフォンのカメラで、水燈路の写真を綺麗に撮りたい」
こんな声をよく聞きます。撮った写真をその場でSNSに投稿したり、親しい人に見せたりするのに、スマートフォンのカメラは最適です。
しかし、松江水燈路のような夜のイベントや夜景を撮ると、全体的に暗く写った写真や、焦点が合わないブレた写真や写真になりがちです。
スマホでの夜景撮影はなぜ難しいのか
光量が少ない
スマートフォンのカメラもここ数年で性能が上がってきましたが、夜景撮影はまだまだ苦手です。
写真は、カメラの外部の光をレンズから取り込み、カメラ内部にあるセンサーで取り込んだ情報を処理する仕組みになっています。夜の撮影は昼間の撮影と違って、レンズから入ってくる光の量が少ないため、暗い写真になってしまいます。
また、カメラの構造にも原因があります。スマートフォンはポケットやカバンに入れて携帯しやすいように作られているため、レンズやセンサーはとても小さくなっています。
プロが使うような一眼レフカメラは、重くかさばって携帯には不便ですが、その代わり、大きいレンズと性能の良いセンサーを搭載しているので、夜の撮影でも明るく撮ることができるのです。
シャッターを押した時にブレる
スマートフォンは片手で持って操作しやすいように、軽く作られています。この軽さが夜の撮影時に不利に働きます。スマホのサイドに付けられたシャッターボタン(または画面上のシャッターボタン)を押すとき、どうしてもスマホ自体が動いてしまいます。これを「手ブレ」といいます。
昼間の撮影ではそこまで気にならない「手ブレ」も、夜の撮影になると、ブレた写真の原因になってしまいます。
水燈路の行灯をスマホで綺麗に撮る方法
それでは、スマートフォンを使った水燈路撮影のコツを紹介します。
(私が持っているスマホはiPhoneなので、その画面を使って説明していますが、他の機種でも理屈は同じです)
セルフタイマー機能を使う
ほとんどのスマートフォンのカメラには、セルフタイマー機能が付いています。ボタンを押して数秒後に写真を撮る機能で、集合写真を撮るときによく使われますよね。この機能を使い、撮影します。
セルフタイマーを使った撮影方法
- カメラアプリで、セルフタイマーに設定する(フラッシュはオフにする)
- 被写体に向かってシャッターボタンを押す
- 両手でしっかりと本体を固定する
- 数秒後にシャッターが切れて写真が撮影される
写真がブレるのは、「シャッターを押す動作」と 、「写真の撮影」が同じタイミングで行われるからです。セルフタイマー機能を使うと、このタイミングをずらし、なおかつ、スマホ本体を両手で固定できるのです。
最近では、声で撮影するアプリや、自動でシャッターを押してくれるアプリも出てきました。こういったアプリを活用しても良いかもしれません。写真を撮る瞬間に、本体をぶれさせないように両手でしっかりと固定することが、夜間撮影のポイントのひとつです。
自撮り棒を利用する
お友達と一緒に撮影するために自撮り棒を持っている方も多いと思います。この自撮り棒を、スマホ本体を固定するために使用します。
カメラマンは、一脚というアイテムを使うことがあります。
三脚と似たような形をした構造で、パイプが1本しかないものです。パイプ1本では固定できないので、カメラを持つ人の体を使って支える仕組みです。三脚よりコンパクトになるので、携帯性に優れ、撮影時にも場所を取らないのが長所です。
スマートフォンで夜間撮影をするとき、自撮り棒を一脚のようにして使います。
自撮り棒の先が地面に接するようにして撮影します。手で持って撮影するよりも、手ブレが起きにくくなります。
スマホ用の三脚を使う
自撮り棒を持っていない方は、三脚を使いましょう。最近はスマホ用のスタンドが付属している三脚も増えてきました。
私が愛用してるのは、ピークデザインのトラベル三脚。たたむとペットボトルのような形になり、女性にも持ちやすいと評判です。
スマホ用のスタンドが付属しており、スマホユーザーにも扱いやすい三脚です。
レビュー記事を書きました。ご参考に。
三脚を使うと、手持ちや自撮り棒を使うより、さらに安定します。シャッターによる僅かなブレを防ぐため、セルフタイマー機能も併せて使うと良いでしょう。
効果的な画像編集をする
スマートフォンは「カメラ」「画像加工」「ネット接続」の機能が一体となっています。「パソコン付きのカメラ」と言っても良いでしょう。
Instagramなどの画像共有アプリのフィルタ(画像を加工する機能)は有名ですが、最近では、スマートフォンの標準機能としても付いていることが多いです。
せっかく綺麗に撮った写真ですので、SNSに投稿する前にフィルタを使って画像をより美しくしてみましょう。
コントラストと彩度を強調する
行灯の光を強調するとSNS映えする作品になります。コントラストや彩度を上げると良いでしょう。
- コントラストとは、明るい部分と暗い部分の差をいいます。コントラストを上げると画像の暗いところと明るいところが強調して表現され、メリハリのある画像になります。
- 彩度とは、色の鮮やかさのこと。気持ち上げることで、行灯の光が際立ちます。
水燈路の写真は、コントラストと彩度をコントロールすることで、一層美しくなりますのでお試しあれ。ただし、数値の上げ過ぎには注意。繊細な色合いが台無しになることもあります。仕上がりを見ながら適度な数値を設定してみてください。
Instagramには、コントラストと彩度を強調したフィルタがいくつか用意されています。「Lo-Fi」「Hefe」あたりがお勧めです(2017年9月現在の情報です)。
おすすめ撮影スポット
松江城二の丸
2015年に国宝に指定された松江城の天守閣をバックに、たくさんの行灯を撮ることができます。行灯を多くフレームに入れようとして後ろに下がり過ぎると、木が前に入って天守閣が映らない場所があるので注意が必要。
天守閣を入れるためには二の丸の中心ぐらいがベスト。段差があるので、下からのアングルも撮りやすい。
塩見縄手
定番撮影スポットのひとつ。堀端に並べられた行灯と堀川を照らす「光船」をフレームに入れることのできるスポット。
水燈路期間中の週末(土日祝日)、塩見縄手は街灯が消され車も通行止めとなります。行灯の灯りだけが頼りなので、足元には充分ご注意ください。通行されている方にも充分ご配慮を(自転車は押して)。
興雲閣テラス
人物撮影に最適なスポット。光量が不足するため水燈路での人物撮影は非常に難しいのですが、興雲閣テラスには照明が常時灯っているため比較的撮影しやすいです。
テラスからは松江城二の丸に並べられた行灯を一望できるので、行灯と人物を同時に撮るのにおすすめです。
撮った写真をSNSで共有する
SNSは、お友達やご家族だけでなく、世界中の人たちと画像や情報を共有できる仕組みになっています。「ハッシュタグ」という機能が主要SNSに実装されており、特定のキーワードでたくさんの人とつながることができます。
私の所属する「松江水燈路広報チーム」では、水燈路の公式ハッシュタグを「#水燈路」としました。インターネット上で水燈路の「バーチャル写真集」を作ろうという取り組みです。
水燈路で撮った写真は、ハッシュタグ「#水燈路」を文章の最後に付けてSNSに投稿してください。世界中の人たちに、綺麗に撮った水燈路の写真を見てもらいましょう。
ハッシュタグの使い方について、別記事にまとめてみました。併せてご覧ください。
水燈路撮影時の注意
スマートフォン撮影のコツを掴んだら、撮影が楽しくなります。水燈路開催期間中、会場に行ってどんどん写真を撮ってください。
ただし、松江水燈路の会場は足元が暗いので、充分に気をつけて。また、特に土日は多くの方が会場を訪れますので、周りの人に迷惑にならないよう、撮影には充分ご配慮ください。
デジタルカメラを使った撮影方法
一般的なカメラで撮影する方法について、別記事にまとめています。興味を持たれた方はご覧ください。